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素ジェーン行く

異邦人

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異邦人


今日、街に「異邦人」の曲が流れているのが聞こえてきた。
そう、、歌手は、シンガーソングライターの久保田早紀。
1979年のヒット曲だったという。
その前奏曲を聞いただけで、一瞬にしてヒットした当時にタイムスリップしたような感覚に襲われた Jessica C.

「異邦人」は、前奏部分からして魅力的だった。曲が漂わせるイメージは、欧米や中南米のものではなく、どこか、中東から中央アジアをイメージさせるものだった。
この曲が流れていた1979年という時代は、もう既に欧米への海外旅行が、あこがれではなく普通の国へ旅行するような感覚となっていた。『異国』ないし『異邦』への旅の情緒を感じるのは、もう少し違ったエスニックの濃い地域になっていたと思う。
それゆえに、「異邦人」の前奏部分が、エスニックの濃さを感じさせるといったインパクトがあった。

私の大学の友人たちはとっくの昔に卒業していたのに、私は、まだ大学に長年の籍を置き、人生を踏み出そうとすることへの躊躇の中にあり、どこか異国に身を委ねた生活をしたいと漠然と思っていた。

今日は、もう一つの「異邦人」。私の、思春期に読んでその虜になったアルベール・カミュの同名小説も、その曲とともに、つい蘇ってきてしまった。
その小説の主人公「ムルソー」(海と太陽を合成した名前、北アフリカ・アルジェの街で生まれ育ったカミュらしい命名) が、アラビア人を殺害し、自ら証言するときに
「太陽が眩しかったから Jessica C.
と言った。
その言葉が彼自身をさらに追い込んで死刑の身となり、刑が執行される時の罵声をたよりとする、というストーリーが思い起こされてきた。
「不条理」「反抗」などの言い古された言葉がホコリの中から浮かび上がって来たような感覚だった。


今日は、8月末にも拘らず、
まばゆいばかりの太陽が照りつけている。各地で、その暑さが、なお話題になっているほどだ。

神戸にある須磨ビーチでは、今から、ファイナルパーティが行なわれると言って
アメリカ人講師Silasが、意気揚々とそこに向かって行った。


今まだ、太陽が照りつけている須磨海岸を歩いてみたい気持ちになった。

「太陽が眩しかったから」

小説の中にあった、その気持ちを味わってみますか?

「ん?  ちょっと違う?」

今の小さな外国語スクール(私)は、そう言った文学青年ではないようです FCCL film

彼の後を追ってファイナルパーティに参加して、いいスピリッツを呑んで『思いっきり暑気払い』!

これが、今の私が惹かれる嗜好のようです。
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